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言葉 ノ先ニアルモノヲ 探シテ    「そらまめ」文担当
2010年 06月 23日 ( 1 )
『残像の森』

古い階段に敷詰められた
鮮やかな緑の絨毯は 柔らかな苔
天は青く透明で、
折り重なる大樹の影が
手の甲に落ちた

迷い込んだのは いつかの
記憶、の 森 


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夏のはじまりの ぬるい風が
霧の名残を 私の睫に
そっと残して去っていく

森はどこまでも深く 美しい
散る記憶の枯葉は大地に積もり
降り注いだ雨を多分に蓄える
樹は断片の記憶を含んだ
栄養を根から吸い上げて

淡く仄かな蕾をつける
はなびらは夜風に巻き上がり
緑は濃淡を交えて空を遮る
光が細い隙間を抜けて
燐柱を立てた

陽は沈み 
日没の朱を 転写した葉が
水分を雲に変え 軽やかに宙を舞う
繰り返し 星は瞬き 月は滴り
この残像もまた 消えゆく 

森は 果てなく広がり続ける

不意に途切れる 日まで
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by solamame-mk | 2010-06-23 06:32